
1. 実験の概要と目的
このたび、銅合金を用いた場合の冷却効果を測定したいというお客様のご要望にお応えし、自社金型の入子部を銅合金で新規製作してトライを実施いたしました。
本実験の目的は、成形時の入子温度を詳細に測定・比較し、異なる材質間での冷却効率の差を明確にすることでした。今回、入子をNAK80、PH-NEO、FUNALLOYの三種類の材質でそれぞれ製作し、汎用樹脂であるPP(ポリプロピレン)とエンジニアリングプラスチックであるPBT(ポリブチレンテレフタレート)の二種類の樹脂を用いて検証トライを行いました。
2. 実験結果と考察
実験を進める中で注目すべき点として、銅合金は一般的な金型材料であるNAK材と比較すると硬度が低く柔らかい性質を持っているものの、今回のトライにおいては摩耗や損傷といった問題は発生しませんでした。また、成形品の外観品質についても各材質の入子間で差異は見られず、銅合金が実用面でも十分に耐久性を持つことが確認できました。
冷却効果に関する測定結果については、予想通り熱伝導率が高い材質ほど入子温度が効果的に低下することが明確に確認されました。具体的には、銅合金製の入子は従来材と比較して優れた冷却性能を示し、成形サイクルタイムの短縮やひけ・そりといった成形不良の低減に寄与する可能性が示唆されました。これらの実験結果から、銅合金は射出成形用金型において十分に実用可能であり、特に冷却が重要となる成形条件下では大きなメリットをもたらすというデータを得ることができました。
さらに特筆すべき点として、本トライ期間中、金型の作動不良や成形時のトラブルは一切発生せず、極めて安定した状態で実験データを取得することができました。これは材質選定から金型設計、成形条件設定に至るまで、総合的に適切な対応ができた結果であると考えております。
3. 当社のサービスについて
当社では、このような成形品の製作や樹脂材料の物性テストといった一般的なご依頼はもちろんのこと、今回のような実験的要素を含む射出成形に関する各種技術検証のご依頼も積極的に歓迎しております。新しい材料の評価、成形条件の最適化、金型構造の検討など、お客様が抱える様々な技術課題に対して、豊富な経験と設備を活かしたサポートを提供させていただきます。
お客様と共に成長し、発展していける成形メーカーを目指して日々技術力の向上に尽力しておりますので、産業機器、デポジット製品、医療機器など、どのような業界・ジャンルに限らず、射出成形に関することであればぜひお気軽にご相談ください。皆様からのお問い合わせを心よりお待ちしております。